漢画系の作者の手になる耕作図と楼閣山水図です。現在は掛幅の形状になっていますが、画面に切り詰めの跡があり、当初は屏風の二扇分であったかもしれません。
 

耕作図では背後に滝を控える家屋に摺り臼と入庫の場面が描かれています。他の一幅には農事や養蚕の風俗は描かれておらず、画題は確定できませんが、例えば帝鑑図などの一部であったと考えられます。
 

作者は京狩野派の狩野山雪と伝えられていますが、形式化した構図や描線は雲谷派の関与も予想されます。